- 所属・情報については、座談会実施時の情報です。
根治手術を受けた肺がんの患者さんは、「手術を受ける前」、「手術を受けた後」、「術後補助療法を始めるとき」等、それぞれの場面においてどのような思いを抱き、また、治療についてどのようなことを望んでいるのでしょうか。
今回、根治手術を受けた肺がんの患者さんと肺がん診療に携わる外科医・内科医にご参加いただき、患者さんの思いや医師がその思いに応えるために留意すべきポイント等についてお話を伺いました。
1.手術・術後補助療法に臨んだときの気持ち
肺がんと診断されてから、患者さんの気持ちは揺らぎ続けます。実際に患者さんはどのような心構えで手術に臨み、術後補助療法を受けることを決断したのか、一方で医師は術後補助療法について、患者さんにどのように伝えているのかについてお話しいただきました。
2.術後補助化学療法についての患者意識調査
肺がんの根治手術を受けた患者さんが、術後補助療法を受けるか否かを検討するにあたりどのように考えたかについての調査結果を紹介します。術後補助療法を受けたい人の考え、抗がん剤治療は再発してからでよいという人の考えはどちらも、今どうしようか迷っている人の参考になるかもしれません。
3.術後補助療法を終えて、今思うこと
手術を受けて数年が経っても、肺がん患者さんが再発への不安をなくすのは難しいかもしれません。それでも、向き合い方次第で、暗い気持ちにならずに日々を過ごすことはできます。術後補助療法を終えた患者さんに今の気持ちをお話しいただきました。最後に、医師から手術や術後補助療法を受ける患者さんへのメッセージをいただきました。
■座談会参加者のみなさん
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司《司会》
川上 祥子 さん
がん情報サイト「オンコロ」
メディカル・プランニング・マネージャー
看護学生時代にがん体験者の講演を聴き、社会でがんと向き合う人々への支援の必要性を実感。看護師経験を経て2007年にNPO法人キャンサーネットジャパン専任理事、2015年4月から2017年3月まで事務局長を務め、2017年10月より現職。
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患《患者》
田丸 弥生 さん
2015年の術前検査で確定診断はついていなかったが、手術後の病理検査でステージⅢの肺がんと診断。点滴による術後補助療法を実施。現在は肺がん患者会ワンステップしゃちほこのスタッフとして活動している。
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患《患者》
松本 晃一 さん
2015年の術前検査で確定診断はついていなかったが、手術中の病理検査でステージⅠBの肺がんと診断。術後補助療法を実施し、2年間の服薬を完遂。手術後12日で仕事に復帰し、現在も活躍している。
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医《医師》
岡田 守人 先生
広島大学 腫瘍外科 教授
2007年4月より現職。日本の腫瘍外科学・臨床腫瘍学領域のオピニオンリーダーとして、専門とする肺がん・胸膜中皮腫の最新診療を世界的な科学的根拠に基づいておこなっている。NHK「ドクターG」、TBS「世界のスーパードクター」、文藝春秋等のマスコミに多数出演。
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医《医師》
駄賀 晴子 先生
大阪市立総合医療センター
腫瘍内科 部長
2017年4月より現職。すべてのがん患者さんに最新の標準的治療を安全に提供することを目標とし、肺がんだけでなく、幅広い固形がんの薬物療法を中心とした治療をおこなっている。
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