日常生活の中で行うリハビリテーション

肺がんと診断されたあと、なんとなく以前のように体を動かすことに臆病になっていませんか?安静にすることが必要な時期もありますが、その時期を過ぎたあとは少しずつ体を動かすことが大切です。日常生活の中でちょっと意識して体を動かすことから始めましょう。さあ、腕を広げ、胸を開いて深呼吸をしてみてください。きっと、新しい風があなたの体と心に入ってくることでしょう。

注意

糖尿病や心臓病など他の病気がある、他の肺の病気を持っている、歩けない・動きにくい、体力がない、栄養状態が悪い、高齢である、喫煙歴が長いなどの患者さんの場合は注意が必要です。
このような患者さんの場合は、呼吸リハビリテーションの開始や導入について主治医や理学療法士と相談する必要があります。

  • リラクセーション法

  • 呼吸練習:口すぼめ呼吸

  • 呼吸練習:腹式呼吸

  • Incentive Spirometry(IS)を用いた呼吸練習

  • 排痰法 Active Cycle of Breathing Technique(自動周期呼吸法)

  • 咳嗽法(咳の仕方)

  • 術後におけるベッドからの立ち上がり方

  • 椅子からの立ち上がり運動

  • 胸を拡げる運動

  • 太ももの筋肉を鍛える運動

  • 太ももを上げる運動

  • 下肢全体を鍛える運動(スクワット)

  • ふくらはぎを鍛える運動(つま先立ち)

  • 下肢全体を鍛える運動(踏み台昇降)

  • 歩行習慣を身につける

肺がん患者さんのための呼吸リハビリテーション

ここでは、日常生活の中で行う呼吸リハビリテーションについて、そのメリットと注意点、続ける工夫などについて、兵庫医療大学リハビリテーション学部理学療法学科 学科長・教授の玉木彰先生にお話しいただきました。
実際のリハビリテーション方法については動画をご覧ください。

兵庫医科大学 リハビリテーション学部 学部長・教授
博士(医学)専門理学療法士(内部障害)・認定理学療法士(呼吸)・臨床工学技士・呼吸療法認定士・呼吸ケア指導士

(学歴)
京都大学医療技術短期大学部 理学療法学科(現 京都大学医学部人間健康科学科)卒業
大阪教育大学大学院健康科学専攻 修士課程 修了
兵庫医科大学大学院医学研究科生理学専攻 博士課程 修了

(職歴)
星ヶ丘厚生年金病院(現 星ヶ丘医療センター)リハビリテーション部 理学療法士 大阪府立大学 助手
京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 准教授
を経て現在に至る。

玉木 彰 先生
玉木 彰 先生
兵庫医科大学
リハビリテーション学部
学部長・教授