みんなの体験談
がんとともに生きる覚悟
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治療中の方
2018年10月掲載
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女性:40代
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肺線がんステージⅣの診断を受けました。
現在、分子標的薬の治療を受けているワーキングマザーです。
きっかけは咳がひどく、症状が改善しなかったので、CT検査を受けたところ、がんと判明しました。
診断を受けた時、ショック状態になると皆さんおっしゃいますが、私の場合、そうではありませんでした。
「何かおかしいと思った」という腑に落ちる感じが半分、「子どもになんて言おう。どうしよう」という気持ちが半分で、すぐに頭の中は最善の策を探し始めていました。
自分でも驚くほど冷静でした。
私の家族は、会社員の夫と大学4年生の娘、そして高校2年生の息子に、チワワが1匹。
私にはかけがえのない宝物です。
この人たちを悲しませ、つらい思いをさせることが耐え難くて、私はどうしたらいいだろう、どうすべきだろうと必死で考えました。
主治医や看護師さんと相談したり、ネットや本からありとあらゆる情報をあさるように読んだりして、たどり着いた結論は、現実を受け止め、悲観も楽観もしないこと。その上で希望を持ち最善の治療を受け、できる限り仕事や家事をこれまで通り続けることでした。
私が1日1日やるべきことをやり、平静でいれば、家庭も平和でいられる。
家族が元気なら、私はまた頑張れる。そう信じて日々を過ごしています。
もちろん、体調の悪い日もあれば、つらい気持ちになることもあるけれども、幸い、これまでのところ治療は順調で、私は仕事を続けているし、子どもたちはこれまで通り学校に通い、趣味や部活に励んでいます。
これからの治療は長くしんどいものになるかもしれませんが、この基本に立ち返り、気持ちを奮い立たせていきたいと考えています。
私は決して精神的にタフではないけれども、がんになったことで、大切な人のためであれば気持ちをしっかり持つことができるんだと気付きました。
そして、家族以外にも、主治医や看護師さん、友達や職場の同僚など、私を支えて見守ってくれる人がたくさんいることがどれだけありがたいか。
「がんとともに生きる」覚悟をして、ようやくそんなことがわかったのです。