みんなの体験談
患者家族との対話を通じて見えてきたこと
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ご家族の方
2017年10月掲載
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女性:50代
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夫の肺がん(ステージⅣ)が発覚して数年がたちました。あまりに突然のことで、「血の気が引く」という思いを50年生きてきて、初めて体感しました。ネットで見る情報は最悪のことばかりで、夫の余命も自分で勝手に作りあげていきました。強引に転院をお願いした今の病院で、「効く薬があるから」と聞いたとき、やっと事実を冷静に捉えることができました。病院のピアサポーターから夫が患者会を紹介され、一緒に参加したのが4カ月後のことでした。患者会では、夫と同じステージⅣの人が何人も5年も6年も元気で頑張っていて、精力的に活動をしていました。次の患者会からは、家族グループのまとめ役をやらせてもらうようになりました。50人以上の患者や家族の方との対話を通じて、少しずついろいろなことが見えてきました。
よけいな情報に振り回されてはいけないこと。患者の病気の現状や治療、副作用をしっかり把握すること。自分の気持ちがぶれてはいけないこと。
今では、患者会全体の進行を仕切り、企画までやっています。患者会には、家族の病気が発覚したばかりで、藁をもつかむ思いで参加する人がたくさんいますが、まさに夫が肺がんだとわかった時の私自身です。肺がんになったことは不幸ですが、ただの不幸ですませるのではなく、それを利用するくらいの気持ちでこれからもやっていくつもりです。