肺がんの治療費はどのくらい?

肺がんの治療費について

肺がんにかかる医療費は、治療費(投薬料、注射料、手術料、その他の処置料など)、入院料、検査料、画像診断料などからなります。そのなかでも、大きな割合を占めるのが治療費です。がんの種類やステージ、加入している公的医療保険や年齢によって異なります。
肺がんに限らずがんの治療は長期にわたり、医療費も高額になります。経済的な負担を軽減するためにも公的医療保険制度や高額療養費制度を確認し、できるだけ早く手続きをとることをお勧めします。

公的医療保険の適用と適用外

公的医療保険には民間会社に勤めている方の健康保険組合や自営業の方などが加入している国民健康保険などがあります。

  • ・公的医療保険適用となるもの:
    手術費や検査費、薬剤費、入院費など
    →自己負担額は1~3割
  • ・保険が適用されないもの:
    先進医療(粒子線治療など)、差額ベッド代、入院時の食費、通院時交通費、サプリメント、健康食品など
    →全額自己負担となります。

高額療養費制度の利用

高額療養費制度は医療費の負担が重くならないよう、1ヶ月(1日から月末)に医療機関へ支払う自己負担額が一定の限度を超えた場合、その超過分が後日払い戻される制度です。自己負担限度額は年齢と所得によって定められています。

  • * 公的医療保険の対象となる医療費のみ

専門家に尋ねる『サポート制度』高額療養費制度

高額療養費制度の利用

  • 厚生労働省:高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)

治療費のご相談、ご質問は「がん相談支援センター」へ

全国のがん診療連携拠点病院には「がん相談支援センター」があります。このセンターでは、がん治療にかかわるさまざまなご相談やお悩みに対応しています。がんの治療費が不安なときや助成・支援制度を知りたいときにはご活用ください。
どなたでも無料でご利用いただけます。

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肺がんの治療にかかる費用

肺がんの医療費は、肺がんの種類、病期、患者さんの状態、治療法によって異なります。
いくつかの治療を組み合わせることや、入院費やその他の費用が加わる場合もあります。

ここでは、肺がん治療でおこなわれる主な治療法について、標準的な治療期間をもとに医療費の目安を記載しています。
なお、実際には国の「高額療養費制度」などが適用されるため、患者さんが実際に窓口で支払う費用とは異なります

主な治療法と費用の目安

2022年6月現在

  • ※ 今後の研究の進展により、治療法・費用は変わる可能性があります。
治療法 医療費 3割負担額
●外科手術
胸腔鏡補助下肺葉切除術(入院6日間) 約158万円 48万円
●放射線治療
予防的全脳照射
(10回/25Gy。外来通院10日間)
約54万円 16万円
定位放射線照射(入院7日間) 約86万円 26万円
●薬物療法
術後補助化学療法
(抗がん剤単独療法、1年間)
19万〜38万円 6万〜11万円
プラチナ併用療法
〔白金(プラチナ)製剤と抗がん剤の併用療法、
3~4週間〕
5万~30万円 1万5,000~9万円
プラチナ・分子標的薬併用療法
〔白金(プラチナ)製剤と抗がん剤、
分子標的薬の3剤併用療法、3週間〕
47万~55万円 14万~16万5,000円
分子標的治療
(分子標的薬単独療法、4週間)
約10万~75万円 3万~22万5,000円
免疫チェックポイント阻害薬(1回分) 約36万~約56万円 約11万~約17万円
  • ・薬物療法の費用は、患者さんの体格による治療薬の用量によって変わります。
    ここでは身長155~170㎝、体重50~60㎏の人の場合を記載しています。
  • ・使用する薬剤が先発品か後発品かによって医療費が変わります。

肺がんはこうして治療する

参考:
・渡辺 俊一ほか:国立がん研究センターの肺がんの本. 2018,小学館より作成

監修:日本医科大学 呼吸器内科
 臨床教授 笠原寿郎先生