アピアランスケアの考え方
がん治療中の外見変化にどう対応するのか
近年、急速な医療技術の進歩で、がんの治療中であってもこれまでどおり通学・通勤するなど、日常生活を送ることができるようになりました。その背景には、入院期間の短縮、通院治療環境の整備、治療効果の改善や治療中・治療後の副作用の軽減などによって、患者さんの負荷が軽減したことがあります。
その半面、いつまでも健康で若々しく、豊かに生活することを望む一般社会において、治療中・治療後の外見変化に悩み、「苦痛」として訴える患者さんは少なくありません。
そのような悩みに応えるために、がん治療中の外見変化に対する考え方や具体的な対処方法・工夫について、国立がん研究センター中央病院 アピアランス支援センター長である野澤桂子先生にお話しいただきました。
- ・脱毛などの外見にあらわれる症状に、多くの患者さんが、強い苦痛を感じています
- ・外見の変化によって、これまでどおりの対等な人間関係でいられなくなってしまう。そこに不安を感じています
- ・これから治療を開始するにあたり、脱毛や皮膚障害、体重増減など外見変化について不安を感じている方へ
- ・職場復帰を控え、治療後の外見変化に悩んでいる方へ
- ・治療中の日常スキンケアは、とても大切です。「清潔に保つ」「保湿する」「保護する」を実行しましょう
- ・ウィッグ選択時は、あまり細部にこだわらず、最も自分らしく似合うと思うものを、自分で決めましょう
- ・施設によって取り組みはさまざま。まずは、各病院の相談支援センターへご相談ください
- ・がん治療による外見変化に対する支援が、がん対策推進基本計画にも盛り込まれ、充実が望まれています
- ・他の医療施設・医療者にもアピアランスケアによる支援の輪を広げています
- ・がん治療は、この先も「生きる」ための手段です。治療のときだけ“パートタイマー患者”でいてください
2019年5月掲載/2024年3月更新