免疫チェックポイント阻害薬の副作用、注意すべき症状
免疫チェックポイント阻害薬の副作用、注意すべき症状
免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞による免疫の抑制を解除して、患者さん自身がもつ免疫の力を使ってがん細胞の攻撃を促す治療法です。そのため、免疫の働きを高め過ぎると、自身の細胞や臓器を攻撃してしまい、副作用として現れることがあります。これを免疫介在性有害事象(imAE)と呼び、全身にさまざまな副作用が起こる可能性があります。
免疫チェックポイント阻害薬の副作用は個人差が大きく、いつ、どのような症状が起こるか予測が難しいとされています。副作用に正しく対処しながら治療を継続するためには、患者さん自身が体調の変化をいち早く認識し、速やかに主治医や看護師、薬剤師に相談することが大切です。
体調に変化があったとき、主治医にどう伝えたらいい?
免疫チェックポイント阻害薬による副作用の症状は多岐にわたります。代表的な症状としては、皮膚の異常・発熱・だるさ(元気が出ない)・顔や手足に力が入らない・頭痛・咳・息苦しさ・吐き気・腹痛・下痢・尿量が増えるなどが挙げられます。
しかしながら、いつもと体調が違うと感じても、主治医になにを話したらよいかわからない、症状やつらさをうまく表現できない、気のせいかもしれないので相談してよいかわからない、という患者さんは少なくありません。以下は、主治医や看護師、薬剤師に伝えていただきたい主な4つのポイントです。まずは、これらを意識してご自身の体調の変化に注意してみましょう。
伝えていただきたい主なポイント
・前回の投与から、体調に変化(症状)はあるか
・その症状は、どの程度つらいか
・その症状は、いつからあるのか
・その他の気になること
主治医や看護師、薬剤師に相談する際は、事前に以下のチェック表を参考にしながら、あなたが感じた体調の変化や症状についてまとめてみましょう。
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気のせいでもかまいません。
あなたが感じたささいな変化や違和感が、重大な副作用の早期発見につながる可能性があります。気になる症状がみられた場合には、放置せず、主治医や看護師、薬剤師に相談しましょう。
免疫チェックポイント阻害薬の投与を受けている患者さんと医療従事者とのコミュニケーションをサポートするツール「つたわる君」チェックシート
ダウンロードはこちら監修:日本医科大学 呼吸器内科
教授 笠原寿郎先生
2024年12月掲載