TOPIC3
治療の中で起こり得る感覚・嗜好の変化と対処
手術後は、再発を予防するために薬物療法をおこなうことがあります。
薬物療法を進める中で、感覚や嗜好に変化が起こることがあります。
戸惑いを覚えるかもしれませんが、このような場合には感覚の変化にあわせて対処をするといいでしょう。医療従事者や周りの人を頼ることも大切です。
CASE
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味覚の変化で白米が食べられなくなった
40代男性|ステージⅢA
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味覚が変化して、白米を苦く感じるようになりました。無理をしても食べられないので、食べられるものを食べるのが一番です。私は味の濃いものなら食べられたので、カップ焼きそばのようなものをよく食べていましたね。無理して食べる必要はなく、食べられるものを食べる。また味覚の変化は人それぞれなので、看護師さんに積極的に伝えてアドバイスをもらっていました。
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脱毛、味覚障害、吐き気等の症状があったとき支えてくれたのは、外来の看護師さん
60代女性(手術時50代)|ステージⅢA
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一番支えになったのは、外来のがん専門の看護師さんでした。その人がいろいろと教えてくださったんです。水分補給のためのスポーツドリンクの味が受け付けられず、「それなら無理して飲まなくても、お水でいい」と教えていただいたり、血液検査の結果を確認して「鉄分の入ったチーズを摂るといいよ」「頑張ってレバーを食べよう」等、食事のアドバイスをしてくれたりしました。ずっと同じ人が来てくださって、「今日はどうですか。診察はどうでしたか」と声を掛けてくれるし、つらいときは話を聞いてもらえる。私にとっては一番の精神的な安定剤でした。
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味の濃いものを摂りすぎて身体に影響が出た。食事に気をつければよかった
50代男性(手術時40代)|ステージⅡB
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塩味が感じられなくなりました。味の濃いものを食べてもしょっぱさを感じられないので、より味の濃いものを食べたくなりました。味覚障害が出ていましたが、身体のためには何か食べなければいけないと思って1日3食を1日5食に分け、お菓子やパン、ラーメン等を食べていたら1年で10キロほど体重が増えてしまいました。血圧や尿酸値、中性脂肪の値も上がってしまったんです。食事管理への注意が足りませんでしたね。
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監修:国立がん研究センター中央病院
呼吸器外科 科長 渡辺俊一先生
2022年8月掲載