レントゲン
肺がんのレントゲン(X線)検査
胸部X線(レントゲン)検査の撮影法と仕組み
レントゲン検査とは、画像診断の1つであり、肺のX線写真を撮影し、がんを示す陰影がないかを調べる検査です。肺がん診療の最も基本的な検査で、簡便で被ばく量も少ないため、広く普及しています。
撮影法
通常、立位で胸部の正面や側面からX線を当てて撮影します。X線は人体を透過する際に骨や臓器などのさまざまな組織に吸収されるため、フィルムには透過後のX線が検出されます。X線像は組織性状ごとのX線透過性(吸収度)の差を白〜黒の色調で表したもので、大きく4つに分けられます。
胸部X線検査でわかること
- ・肺がんの発見
- ・肺結核
- ・肺炎・気管支炎などの肺の炎症
- ・肺気腫、気胸、胸膜炎、肺線維症、心臓病、心肥大、胸部大動脈瘤など
胸部X線検査と胸部CT検査の違い
胸部単純X線検査では、立体である肺を一方向から平面の写真に投影するため、骨、心臓、血管、横隔膜などの臓器の影に重なって見えにくい部分がかなり大きく存在します。
一方、胸部CT検査では、多方面からX線を照射してX線吸収度(CT値)を測定し、それをもとにコンピュータで画像化することができます。そのため、体の断面を描いたり、得られた写真から立体構成を描いたりすることが可能で、がんの大きさ、性質、周囲の臓器への広がりなど、胸部X線検査よりも多くの情報を得ることができます。
ただし、胸部CT検査では胸部X線検査よりも被曝量が多くなります。
また、胸部CT検査の方が検査費用がかかります。
監修:日本医科大学 呼吸器内科
臨床教授 笠原寿郎先生
2018年7月掲載/2022年6月更新