大細胞がんとは

大細胞がんの概要

肺がんはがんの組織の状態(組織型)によって10種類以上に分かれていますが、発生頻度の高いものが4種類あります。大細胞がんは腺がんや扁平上皮がん、そして小細胞がんの特徴がみられないがんをいい、4種のなかでは最も少なく、発生頻度は肺がん全体の5%程度です。

がんのできる場所は主に「肺野部」と呼ばれる、肺の奥の方です。

大細胞がんの発生しやすい場所

大細胞がんの発生しやすい場所

大細胞がんの定義が変わった

肺がんの組織型は、肺の病変部に針を刺して採取した検体や、手術後に切除した検体を調べること(病理検査)によって診断がつきます。

従来は顕微鏡による観察によって診断されていましたが、2015年に WHO(世界保健機関)によって定義が見直され、細胞の形状だけではなく、「免疫染色」という手法による検査を経てさらに厳密に定義されるようになりました。そのため、大細胞がんと診断される頻度は以前に比べ少なくなっており、海外では肺がん全体の1%程度になっているとの報告もあります。

大細胞がんの検査と治療

大細胞がんの検査は、一般的な肺がんに準じた検査がおこなわれます。

大細胞がんの大まかな治療の流れは非小細胞肺がんと同様です。
大細胞がんには増殖が速く、薬物療法や放射線療法が効きづらいという特徴があるため、なるべく早期に発見し手術療法をおこなうことが重要です。

  • 参考:
  • ・国立がん研究センター東病院 HP
  • ・国立がん研究センターがん情報サービス
  • ・Rodak O, et al. Cancers. 2021; 13(18): 4705.

監修:日本医科大学 呼吸器内科
 臨床教授 笠原寿郎先生